
古川美佳 連続企画「21世紀の東アジア文化論」vol.5
金鳳駿 美術展 − 希望の種 古くて新しい未来へ向けて −
キム・ボンジュン|김봉준|Kim Bong Jun
期間:11月18日(金)― 12月3日(土)
→ 11月18日(金)17:30よりオープニングパーティを行います!
開廊:12時~19時
休廊:日・月・祝
1980年代、韓国の民主化運動と呼応して生まれた、
「民衆美術」の先駆者・金鳳駿(キム・ボンジュン)さん。
仮面劇や民俗ノリ(遊び)、木版画や大型絵画などの表現で
社会と芸術をつなげる役割をはたしました。
そして、いま、東アジアの伝統や神話の世界に根をさぐり、
新たな作品をもって日本にやってきます。
どこかなつかしく、どこか新しい、そんな表現は、
先行き不安なこの地に <希望の種> を運んでくれるでしょう。
─ お越しをお待ちしております ─
▽ 『韓国「民衆美術」の個展』と題された、
金鳳駿さんの紹介記事 が、←
11月25日付 朝日新聞 夕刊 “ぴーぷる欄”に掲載されました!
※PDF版は こちら
▽ 連続イベントの詳細は、こちら ←
▽ 本展チラシPDF(約1.7MB)は、こちら ←
▽ 「東アジアの “希望の美学” を探して」と題された、
本展に関する金鳳駿さんへのインタビュー記事 が、←
韓国紙「ハンギョレ新聞」に掲載されました!
※ハングル機械翻訳ページは こちら
▽ 金鳳駿さんのFacebookは、こちら ←
|展示の紹介|
晩秋の11月、韓国の美術家・金鳳駿(キム・ボンジュン)の個展を東京・茅場町 GALLERY MAKI で開催いたします。これは同ギャラリーの企画として毎年実施している「群島のアート考古学 ― 古川美佳(韓国美術・文化研究)連続企画 <東アジア文化論>」の一環、第5回目にあたります。
金鳳駿(キム・ボンジュン)氏は、韓国の民主化運動と共に旋風を巻き起こした「民衆美術」の代表的な作家として知られています。「民衆美術」とは、韓国の軍事独裁政権の継続および1970年代以降の急速な産業化・社会構造の変化によって顕在化した政治的抑圧と社会的矛盾を、「歴史の主体は民衆である」という立場から表現しようとした美術運動です。特に80年代に民主化運動と呼応する芸術運動として多数の美術集団が生まれ、政治闘争と文化運動の結合を図り、稀有な美術的成果を残しました。
金鳳駿氏は、1954年ソウルに生まれ、弘益大学校美術大学彫塑科を卒業。70年代の大学サークル運動が盛んだった頃は、詩人・金芝河からも薫陶を受け、プンムル(風物/農楽などに用いられる打楽器)・タルチュム(仮面劇)のサークルを組織し、さらに、当時、初めて労働者演劇を手がけ、また80年代は、ソウルで “トゥロン(畦)” というグループを立ち上げ、農村や労働の現場で活躍した「民衆美術」の先駆的存在です。
とはいえ、その道のりは決して平たんではありませんでした。社会の矛盾や政治的葛藤をみすえながら、青年期から野に分け入り朝鮮の民俗文化を学び、再創造しようとした独立独歩の歩みでもありました。さらに80年代韓国で当時、政治、社会学のみならず、文学や芸術など各分野で熱く論じられた「共同体論」を芸術の分野に取り込もうとし、農民や労働者たちと生活を共にした中で、植民統治や欧米文化の移入によって、歪曲・疎外されてきた朝鮮民衆の営みの文化(巫俗や祭祀など民俗芸能)を掘り起こし、自らの作品に再生させようとしたのです。理想的な社会のモデルとしての「共同体」形成のための美学をうちたてようとしたわけで、自らを「芸人・野人」といって在野に身をおきながら、活動中に何度も拘束され、病気を患ってしまいます。挫折を経て、やがてソウルという中心から離れ、原州に「神話美術館」を自ら建てます。そして最近は、東アジアの原型(アーキタイプ)を模索しようと「神話」の世界へ関心を向け、普遍的な表象―現代のイコンを制作しようとしているのです。
こうした金鳳駿氏の芸術をふりかえると、70年代は「朝鮮文化の学習期」、80年代は「抵抗的民衆文化の形成期」、90年代は「脱近代的な省察と新しい形式の模索期」、2000年代は「代案文化の創造期」と分けることができます。今回はそうした作品の数々をできるだけ多様に展示します。朝鮮の伝統と現代をつなげた民画風のものや版画、詩書画やテラコッタなど・・・それらはどこか日本の「民藝」にも通じる心が通っています。
一方、ここ日本では、「3・11」以降、原発事故で故郷を追いやられていく福島の人々、そして東北の被災地が「失われた故郷」となっていく様相などから、
「共同体」再生への願いが取りざたされたりもしています。しかし、それならば、どのような「共同体」が可能なのか ― いずれにせよ、私たちの生の根本が問われています。
そんな中、金鳳駿氏の作品とその生き方を通じて、特にこの東アジアで育まれてきた文化、芸術や思想、宗教ふりかえりながら、私たちの足元を見直す作業 ― 根っこからこの世をとらえなおす “種” を見つけることができればと思います。科学技術は安全だという思い込みや人間の果てない欲望がもたらした放射能汚染。その汚染されてしまったこの地に、それでも “希望の種” を蒔くことができるのか?「入古出新」― 伝統の創造的解釈を試み、古くて、新しい未来へ向けて・・・創造の “種” は、私たち自らで求め、植えつけていくときにきているというのなら・・・金鳳駿氏の表現にそのかすかな端緒がみえるかもしれません。
※画像をクリックすると、大きな画像をご覧にいただけます
|展示形態|
◎70年代後半~80年代民衆美術運動で活躍した時代の版画や絵画、
最近作の詩書画、版画、屏風絵、テラコッタ小品など。
|連続イベントの案内|
… GALLERY MAKI で本展が開催されるほか、
11月18日(金)に “オープニングパーティー” を、
11月22日(火)には “ギャラリートーク” を行います。
… また下記の通り、19日(土)、20日(日)、22日(火)と、
いろいろな場所でさまざまなイベントが連続して行われます。
是非ご参加ください!!!

◎オープニングパーティ:11月18日(金)17時30分〜
◎本展ギャラリートーク:11月22日(火)18時30分〜 参加費無料
「東アジアの伝統と朝鮮
─「3.11」以後、「苦」の原因をみつめ、伝統の創造的解釈を未来へ─ 」
金鳳駿 キム・ボンジュン(美術家)× 阿満利麿 あま・としまろ(宗教学者)
会場:GALLERY MAKI(地図はこちら)
東京都 中央区 新川 1-31-8 ニックハイム茅場町402
TEL: 03-3297-0717
金鳳駿さんは、いまは民衆美術というより、「民間美術」だとして、
現代アートの波とは無関係に、独立独歩で仕事を続けて
江原道・原州に自分で「神話美術館」というものを建て、
子供向けのワークショップなども行い活動中です。
作品は朝鮮の民画風のものや版画、詩書画やテラコッタなど・・・
それらは日本の「民藝」にも通じる心が宿っています。
講座では、金鳳駿さん自らの体験をもとに
スライドで作品を紹介しながら語っていただきます。
講師:金鳳駿 キム・ボンジュン(美術家)
コメント:李泳采 イ・ヨンチェ(日朝・日韓関係 恵泉女学園大学教員 / KAJA)
会場:大阪経済法科大学 東京麻布台セミナーハウス4F 中会議室
(東京都 港区 麻布台1-11-5 東京麻布台セミナーハウス
TEL:03-5545-7789)
アクセス:地下鉄 日比谷線「神谷町駅」1番出口を出て、左へ。
吉野家、オランダヒルズ森タワーを過ぎ、約5分
◎ 詳しい地図は、こちらのページ をご覧ください
申込み:mail: groupkaja▼yahoo.co.jp (←▼を@に置き換えてください)
mail form:
https://sites.google.com/site/kajalearninggroup/contact-us
主催:KAJA(カジャ Korea And Japan Alternative learning group )
KAJAは、韓国・朝鮮の歴史・文化・社会を学び、交流を目指している市民グループです
◎ 詳しくは “KAJA” web site のページをご覧ください
ワークショップでは金鳳駿さんが最近作などについて説明後、
参加者の顔と会話を書き入れた似顔絵や、
参加者の要望にあわせた絵と言葉を盛り込んだ詩書画などを筆により
即興で完成させて各々にプレゼント。すぐ持ち帰り、お部屋に飾れます!
また金鳳駿さんの指導のもと、希望者は筆で韓紙に自由に描けます。
その後、ユッケジャンやチジミ、マッコリなど韓国料理と共に歓談タイム!
韓国の伝統芸術と現代が融合し、食と人が出あうひと時をお楽しみください!
会場:ヨガ・カフェ・スペース 一粒のたね
(東京都 北区 田端 4-4-2 共栄ビル1F TEL:03-6320-4106)
アクセス:JR「駒込駅」東口アゼリア通りへ徒歩6分
地下鉄 南北線「駒込駅」徒歩10分
JR「田端駅」徒歩18分
◎ 詳しい地図は、こちらのページ をご覧ください
共催:一粒のたね※ + 古川美佳
※一粒のたねは、心とからだを元気にするスペースです。
◎ 詳しくは “一粒のたね” web site のページをご覧ください
申込み:TEL&FAX: 03-3620-4106
mail: info▼tanecafe.com (←▼を@に置き換えてください)
地域で暮らす日本人と在日朝鮮人が共に(=ハムケ)
朝鮮の民話を読み、リズムを奏で、オリジナルの歌をうたいます。
手づくり交流会にどなたでも!
会場:玉川上水・ステッチ
(東京都 立川市 柏町 4-77-1 TEL: 042-535-9881)
アクセス:西武拝島線・多摩モノレール線「玉川上水駅」徒歩10分
JR「田端駅」徒歩18分
◎ 詳しい地図は、こちらのページ をご覧ください
主催:ハムケうたう会
猪俣 o9o-7949-6594
李 hanulpo1124▼yahoo.co.jp (←▼を@に置き換えてください)
◎ 詳しくは “ステッチ” web site のページをご覧ください
|金鳳駿(キム・ボンジュン / 김봉준 / Kim Bong Jun)プロフィール|

1954年 ソウル生まれ 原州在住
1980年 弘益大学校美術大学彫塑科卒業
弘益大学でタルチュム(仮面劇)・プンムル(風物)サークル創立。
創作仮面劇・マダン劇・プンムル(風)・ノリ(戯)で演戯活動。
民画・仏画・風俗画を修練、伝統仮面制作習得、創作仮面制作。
1982年 “トゥロン(畦)” 結成
1983年 “トゥロン(畦)” 創立予行展、エオゲ小劇場、ソウル
1981年 農民漫画本『ノンサクン・タリョン(農夫打鈴)』
(基督教農民会刊)
1985年 民衆文化運動協議会 企画室長
木版画個展 第3ギャラリー、ソウル
1986年 民俗クッ会 結成
1987年 米国、ヨーロッパ8都市巡回展
1993年 <90年代展望展> ガナ・アート・ギャラリー招待個展
1995年 <シルクロード紀行展> 東亜ギャラリー招待展
1997年 第2回光州ビエンナーレ <青年精神展>
<アラビアン・ナイト> 挿絵『東亜日報』に2年間連載
2000年 <森と村 美術祝典>
2003年 <畝と畝の間 絵手紙> 『中央日報』に連載
2004年 <ギリシャ画筆紀行展> サビナ美術館、ソウル
世界生命文化フォーラム <生命の神堂展> 企画招待展
2006年 <韓国美術を導く美術家30人展> ソウル・オークション
原州美術協会会長(~2008年)
2007年 <韓国筆絵体験展> 国立中央博物館 劇場
<金鳳駿 美術展> 原州 文芸画廊
<平和の神話> 国際展 ウスリスク
2008年 <古い未来 金鳳駿美術 LA展> LAコリアタウン・ギャラリア
<金鳳駿の筆絵手紙> 『プラシアン』に連載中
神話美術館 創立
|古川美佳 連続企画「21世紀の東アジア文化論」関連テキスト|
◎ 連続企画「論証―群島のアート考古学」のご案内
http://http://www.gallery-maki.com/2010/07/28/art-arch/
古川美佳 連続企画「21世紀の東アジア文化論」vol.2
▼ 洪 成潭 展「靖国の迷妄」
http://www.gallery-maki.com/2007/10/21/mika-v2_hong/
古川美佳 連続企画「21世紀の東アジア文化論」vol.3
▼ 井口大介展「伝えられ、伝えること
・・・広島第二県女二年西組、関千枝子さんと共に」
http://www.gallery-maki.com/2008/10/30/mika-v3_iguchi/
古川美佳 連続企画「21世紀の東アジア文化論」vol.4
▼ 金城 実 (Kinjyo Minoru) 展 「闘いの美学―沖縄、島の土から」
http://www.gallery-maki.com/2010/07/26/mika-v4_kinjyo/
