生野毅の怪談ライブ『新・剪燈新話』

 皆様。

 ようやく秋も深まってまいりましたが、皆様におかれましてはお元気でお過ごしのことと存じます。
 さて、長年の私の活動のホームグラウンドである茅場町・ギャラリーマキで、私としては初めての試みとして『新・剪燈新話』と題して、怪談ライブを行うこととなりました。そのご案内をさせて頂きたく思います。

 『剪燈新話』とは、中国の明の時代の著名な文人、瞿佑(1347〜1427)が書いた伝奇小説集です。剪燈、とはロウソクの芯を切って光を明るくして、夜が更けるまで語り合うという意味ですが、『剪燈新話』にはさまざま怪奇な話、不思議な話が収められていて、江戸時代の日本での「百物語」の流行の基になったとも言われています。(日本の代表的な怪談の一つ『牡丹灯籠』のオリジナル版もこの中に収められていますが、日本版が叙情性や哀しみを感じさせる話であるのに対し、『剪燈新話』のオリジナル版はかなりオドロオドロしく、まるでキョンシーのような幽霊が跳梁跋扈します。)

 そこで、私の愛読書でもある『新耳袋』の向こうをはるわけではありませんが(笑)、21世紀の現代に、極上の恐怖と怪奇を語りによってよみがえらせたく、今回『新・剪燈新話』と題して、シリーズを始めようと思い立った次第です。

 今回は、ギャラリーの空間を真っ暗にして、ロウソクの灯りだけで上演いたします。
 リハを見たギャラリーオーナーの坂巻さんによれば「アンタ恐すぎよ!」とのことですが、しかし、ただ皆様に怖がって頂くことだけを眼目としているのではなく、怪談とは、人間の魂の奥底に潜む闇を現実の世界によみがえらせ、恐怖だけでなく人間の魂の本当の哀しみを表すものであるとも言えます。あるいは、恐怖する純粋で無垢な心を失うことこそが人間にとって本当に恐ろしいことなのであって、怪談を語り、耳を澄ますことは、人間の懐かしい心のふるさとへ帰ってゆくことを意味していると思われます。
 今回朗読させて頂く二篇の作品にも、人間の業の深さや孤独が浮き彫りにされているのではないでしょうか。

 …それでは、秋の夜長に心に滲み入るようなお話をさせて頂きたく、全力を尽くしますので、万障繰り合わせの上、ご来場くださいませ。
                             生野毅 拝

 

 

『新・剪燈新話 生野毅の怪談ライブ』第一夜

  日時 2010年 11月 6日(土) PM4:30開場 PM5:00スタート
  料金 1000円

 



〈 内 容 〉

 第一部・怪奇小説朗読(約90分) 朗読作品

   (1)『まめつま』小松左京・作
      ・・・『日本沈没』のSFの巨匠は、恐怖小説の名手でもあります。
          夜毎、赤ん坊と母親を脅かすものの血も凍る正体とは…!?

   (2)『十月のゲーム』レイ・ブラッドべリ・作
      ・・・今なお現役の「SFの詩人」が贈る極上の美と恐怖。
         ハロウィンパーティーの夜に行われた或るゲーム。
         それは、どんなに恐ろしくても、
         楽しいゲームだったはずなのだが…!?

 〜休憩〜

 第二部・恐怖実話 & トーク(約20分)

      ・・・第一部で朗読した小説の解題と、生野毅の知り合いの恐怖体験や
         生野毅自身の恐怖体験!? を紹介します。

 

 

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